
投資を始めようと考える人が増えています。
そして、その始め方も色々なルートが最近はあるようです。
(私が始めた時は、あまり選択肢もなく自力で勉強することが当たり前でした。)
で、最近会った人が「これからの時代投資は必須ですね。私は今投資の学校に通って勉強しているんですよ!」とドヤ顔で言うのです。
私は古い人間なので「投資の学校なんてうさんくせー」と思ってしまいますし、金融周りでは特に”自分で頭を使いたくない情弱”を対象にしたセミナーが多数世間では開催されていて、それに足繁く通っている投資初心者をよく見ているので、「あー残念」という目で見てしまう・・・
しかし、聞くとそこではそれなりにまともそうな投資の勉強をしているようです。
少なくとも「相場予測」をメインにした占星術を学ぶところではなさそう。
Google先生でちょっと検索してみると以下のようなブログも見つけました。
ちなみに、こちらのブログを見てみるとファンダとテクニカルを中途半端に取り入れていて機能不全に陥る人が多そうだなという感想。こういう人は多分細かく損を重ねていき利益は小さい気がする。ファンダで当初は評価しながらそのうちショートとかも手を出しそう
— imo (@assetsjin) 2017年12月11日
どうやら運営者はその投資の学校で学びながら株式投資を実践している人のようです。
ざっとブログを読むと、学校では株式投資の基本的なことをメインに教えてもらえるみたい。とてもまともですね。
しかし、ツイッターで指摘しているようにせっかく投資の学校で学ぶなら明確にしておいた方が良い点を教えられていないように感じました。
Contents
ファンダメンタル投資とテクニカル投資を混ぜるな!
その投資の学校だけでなく、自力で勉強する時も同じ罠にハマりやすいのですが、
株式投資を学ぶとなると、色々な情報が出てきます。
例えば
「価値と価格」「損切り」「リスク管理」「チャート」「ROE、PER、PBRなど」「移動平均線」「ゴールデンクロス」「損益計算書」「ビジネスモデル」「時価総額」
その他色々。
いずれも株式投資をするためにはある程度知っておかなければいけません。
しかし、これらの基本は投資スタイルによっては全く逆の意味を示したり、そもそも考慮する必要がないものもあります。
厳密には投資スタイルは千差万別ですが、大きく分けて世の中には「ファンダメンタル投資」と「テクニカル投資」の二つが代表的。
で、これまたざっくり分けると
「ファンダメンタル投資」→企業価値に注目
「テクニカル投資」→株価(チャート)に注目
となります。
それぞれ注目するところが全然違うので、これをごっちゃにするとその時々で投資基準が変わります。
それこそ、買いの時には「企業価値」を理由に買ったのに、保有中は株価ばかり気にしてチャートの形が悪いという理由で売るのです。これでは投資結果はちぐはぐでそれぞれの良い部分もスポイルされてしまうでしょう。
投資初心者は上記の区別が出来ません。投資を教える人がそこに無頓着であれば教えられる人はファンダメンタル投資の指標とテクニカル投資の手法をナチュラルに混ぜ合わせて投資を実践してしまうことになります。
ほとんどの投資初心者は短期トレード志向
よくある問題点に「損切りルール」の設定に関しての誤解があります。
詳しくは以下の記事を読んで欲しいのですが、端的に言うと「株価を見るテクニカル投資なら損切りルールは必須だけど、企業価値を見るファンダメンタル投資なら必ずしも機械的な損切りルールなど必要ない」ということになります。
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また、自ら投資を始める人のほとんどは「ロジックでスマートに短期間で大儲けしたい」と考えがちで、よく「資金効率」「ルールの徹底」「もっと上手くならなければ」「反省です」などなど意識高い言葉を使いますが、これらの言葉の根底では「投資はテクニックの上手い下手がある」「儲ける人はそのタイミングを計ることが上手い」などと考えています。
この考え全てが実は「短期トレード」の考え方。
そして、短期トレードは物凄い弱肉強食の世界であり、極少数の大儲けする人がいる一方で多くの人おいて適性はないと私は考えています。
まあ、それはそれでいいんですが、そういう考え方でやるのならファンダの要素など考えずテクニカル投資を徹底して実践し、自分に適性があるか?を判断すべきだと思うのです。
企業業績など見る必要はないし、イナゴが集まるところの情報収集や、日々チャートを見て自分独自の洞察からトレードをしてその検証をすべきです。
ファンダとテクニカルの峻別が出来てから広く学ぶ事はメリットがある
「直近の業績は良いけど株価がさえないから資金効率の面から一旦売って、監視リストに入れてまた良いチャートになったら入ろうと思います」
簡単に言いますが、これはほぼ不可能です。
良いチャートの形になるのはいつか?それを見逃さず入られるのか?
タダでさえ資金効率を重視しているのなら常に何かトレードをしているはずで、良いチャートになったと思った時にすぐに銘柄を入れ替えられるのか?その時の銘柄間の利回り効率判断は?
諸々考え合わせると、テクニカルの判断で売ったものを中長期的なファンダの視点からまた買い直すことはほぼ不可能でしょう。
中途半端にファンダとテクニカルの手法を混ぜるとこのような判断になります。機械的な損切りも結果的に損失確定をさせるだけです。
これらの弊害はファンダメンタル投資で注目しているものとテクニカル投資で注目しているものの違いが明確に意識されていないから起こると思います。
なので、投資初心者はまず
ファンダメンタル投資なら企業価値の測り方やその場合の投資利益の源泉についてを徹底的に学ぶ&実践すべきであるし、テクニカル投資ならチャートの読み方、様々な指標、タイミングの測り方、テーマ株の情報収集、等々の株価に注目した波に乗るトレード手法に精通し、そのトレードから得る利益はゼロサムであることを理解すべき。
そして、どちらかを徹底してやってある程度のパフォーマンスを安定して出せるようになってから他方の投資手法を学ぶ事は投資の世界の視野を広げることになるでしょう。
個人的には、株式投資を学ぶ場合にファンダとテクニカルの明確な区別もない初心者がごっちゃにして学ぶことは弊害があると思う。テクニカルならテクニカル。ファンダならファンダの投資法&トレード法をがっつり学んで実践してから他所へ手を広げるべきと考える
— imo (@assetsjin) 2017年12月11日
トライ&エラー
私自身、株式投資を始めた当初は色々試行錯誤をしました。
短期投資の方法と長期投資の方法をごっちゃにして機械的なルールを決めてやってみて上手くいかないという経験もあります。
[kanren postid="268"] 投資初心者の方でも、自分で色々考えて試行錯誤できる人ならそのうち自分の投資スタイルが確立され安定した投資成績をあげられるようになるはず。しかし、投資の学校のような初心者が体系的に学ぶ場所があるのなら、投資初心者が始めに迷わないように投資スタイルの違いを明確にして、始めはどちらか一方に偏った教え方をしても良いんじゃないかな?と個人的には思うところです。
まあ、どちらにせよ最終的に投資で結果を出し続けられるのは「自分で考えられる人」であることは間違いありません
もし、自分で考えることが嫌いで、何かお手軽に儲けられる手段として株式投資に手を出している人がいるなら痛い目にあわないうちに株式投資など辞めることをお勧めします
それでは、また