
こんばんは、imoekatです
本日は、株投資初心者向け企業分析シリーズの三歩目について
今日のテーマは「自己資本比率50%以上の企業に注目する」です
自己資本比率について
まず自己資本とは何か?について
自己資本=株主資本
つまり、株主の出資したお金です。まず前提として株主は分け前を期待して企業の株を保有しているので、企業にとっては高コストなお金となります。
昔、日本の企業には株主資本は返す必要のない企業にとって都合の良いお金という間違った理解が広まっていました。
しかし現在、株主は(間接金融以上の利回り=配当)を要求しますので銀行借り入れ、社債などの他の返済義務のある資金調達先よりも高コストであるという理解に変わっています。
そうなると、自己資本を低くし銀行などの低コスト借り入れを最大限利用し効率的な投資先に資金配分するのが優秀な経営者である!という考え方も出てきます。
これは、極論自己資本比率は低いほど良いということ
個人を例にすれば低金利の今、銀行から出来る限り借金をし高額な不動産や事業へ投資することに似ています。
金利以上のキャッシュフローを稼げている間はOKなのですが投資が見込みと違った場合、自己資本に見合わない借り入れをおこなっている時に一発で債務超過に陥りかねません。
企業でも自己資本の何倍もの借り入れをし有望な投資先が常に存在し、その成功率が非常に高ければ問題なし。経営者は神とあがめられ株価も100倍とかに吹き上がること請け合い。
しかし、投資が見込みと違い巨大な借り入れによる金利支払いが重くのしかかり(低金利でも)身動きが取れなくなった時は悲惨です。見込み違い一発で致命的な状況に追い込まれかねません。
以上より、私はバランスの取れた借り入れをするべきだと思いますし過度な低自己資本比率はリスクだと考えています。(人間はそんなに完璧じゃない。ミスはするものです)
自己資本比率が高い理由
①「キャッシュ溜め込み型」
安定した事業を営んでいますが、新たな投資先もなく利益成長も長年していないタイプ。ただただお金を抱え込んでいて配当にも回さず株主の方を見ていない企業です。このタイプは投資には値しないので無視。(配当を増やしたり、自社株買いをするなら別!)
②「事業リスクが高いので銀行が貸してくれない」
事業自体のリスクが高く上手くいくか分からないので、安全確実を旨とする銀行がお金を貸してくれないパターン。ベンチャー企業をイメージすると理解しやすいかも。夢があり上手く行けば一攫千金かもしれませんが、失敗する確率もかなりあるので真っ当な金融機関は相手にしてくれません。そこで仲間内やエンジェル投資家など直接資金を投資してくれる人(株主)を募ることになります。こういう資金はリスクが高い分金利も高くならざるを得ません。結果として自己資本比率は高くなります。
③「フリーキャッシュフローが潤沢すぎる場合」
企業は、利益からまず運転資金を支払い→将来の企業成長への投資をし→税金を払い→残ったお金で株主への配当支払いをし→更に残ったお金は現預金又は有価証券となります。
フリーキャッシュフローとは、上記の中で事業継続のための運転資金と将来の成長の為の投資資金を支払った後残ったお金のこと
これが常に大きくプラスで会社にドンドンお金が貯まっている企業です。(つまり儲かっている企業ってこと)
投資をしてもなお金が余っていて、結果的に借り入れしなくても投資資金に困っていない状態。
以上、簡単に自己資本比率の高いパターンを説明しましたが、お分かりの通り、③のパターンが良い企業です。
つまり、自己資本比率のみ見るのではなく、キャッシュフロー計算書も数年分見て、常にフリーキャッシュフローがプラスか?のチェックをすることが必須
なんか難しそう・・と思ったかもしれませんが、キャッシュフローも四季報で簡単に確認できるので安心してください。
自己資本比率が低くても良いパターン
ざっくり①現金商売の事業 ②高い参入障壁のある事業 は比較的自己資本比率が低くてもOKです。
①は、スーパーマーケットとかみたく日銭稼ぎがメインの事業です。要は「お金返して」と言われた時に手元現金があるパターン。
企業は通常掛けで取引しています。つまり、支払いと入金のタイミングがずれるのです。これが上手く合わないと資金ショート=倒産になるんで死活問題。
この点、日銭商売は常に手元現金が豊富なので資金ショートの不安が少ないという理由。
②は法律や規模、資金、情報、ブランド力などにより参入障壁が高い事業をしていて、借り入れを大きくしても将来の回収が確実な場合です。
例えば、不動産、商社、銀行などなど。
不動産は圧倒的に売り手の情報量、知識が上で借り入れで安く土地を仕入れ、開発し我々素人に高値で売ります。よっぽど下手クソじゃない限り不動産系は損をしません。
商社も情報量、規模、ブランド力などで自己資本比率が低くても確実なビジネスをしています。大きく資金を使い、それ以上の利益を上げるルート、ノウハウ、ブランド力を持っていますので。
銀行は言わずもがな。法律でも守られた独占事業ですし、これでもか!と担保をつけて堅い投資をしています。今や投資信託などの手数料収入も多め・・・
世の中には、色々な事業があり最適な自己資本比率も沢山ありますが、投資初心者であればまず、自己資本比率50%以上を目安に絞り込むと良いでしょう。
そして、キャッシュフローにも注目すれば大きな失敗には繋がらないと思います。
ある程度考え方に慣れたら他のタイプの企業に手を出してみても良いでしょう。
最後にこれに関した一連のツイートをまとめときます。
自己資本比率について。私の好みは50%から80%くらいまでです。業種ごとに色々な平均があるけど、財務レバレッジという面から見ると自己資本比率が低いとそれだけリスクが高いと言える。つまり、見込みと違う結果が出た時のダメージが大きくなるという単純な危険性
— imoekat (@assetsjin) May 18, 2016
自己資本比率について2。
逆に事業リスクが高いから借り入れしづらく結果的に自己資本比率が高いという視点もある。これは事業そのもののリスクが高いということで調達コストの低い銀行借り入れが出来ない状態。株主への高還元を約束出来るか?ということ。これはこれで期待以下だった場合はリスクだ— imoekat (@assetsjin) May 18, 2016
自己資本比率について3。
これまた逆に事業が盤石でありフリーキャッシュフローが常にプラス。投資資金より稼ぐ能力のある事業をしているということで、この視点では事業リスクは低いとも言える。毎期毎期貯まっていくキャッシュのお陰でわざわざ新たな借り入れをしないこともある— imoekat (@assetsjin) May 18, 2016
私が見ている視点は3のフリーキャッシュフローがガンガン貯まっていて結果的に自己資本比率が高めの企業。更に高ROEを維持し続けているとこも見てる。自己資本比率が高いということはROEが落ちるので。
キャッシュが貯まるだけではなくしっかり新たな投資をしている企業ということです— imoekat (@assetsjin) May 18, 2016
自己資本比率が低くてOKなのは、日々消費するモノを売る現金商売とかかな。要は返せ!と言われた時に手元現金を用意できるか?
それでもトラブルや不祥事で売上激減したら債務超過になりやすいリスクは残る。億単位の不動産投資をしていて満室保証だからOKと思ってたら保証会社が倒産したとか悲惨— imoekat (@assetsjin) May 18, 2016
まーこれまでのツイートは極論に近いけど、自己資本比率は事業の積み重ねと諸々のその企業に対する信用度の2つから出た結果と現在の私は考えてます。それは高い方がいいだろうと。でも、高すぎるのも効率悪いので80%くらいにはして欲しいみたいな感じ
— imoekat (@assetsjin) May 18, 2016