
前回に引き続いて仮想通貨について
前回の記事で私は「仮想通貨とは何か?」という哲学的な問いには答えられないと書きました。
仮想通貨の値動きに関しても意味不明です。
しかし、仮想通貨を煽っているブロガーよりは仮想通貨について知っている気がしますので、それをちょっと書いてみます。(注 仮想通貨投資には全く参考にならないと思います。)
デジタルコピーを乗り越えた
技術的な詳しいところは私も理解していませんが、仮想通貨の仕組みはブロックチェーン技術というものを使っています。
この技術のイノベーティブなところは、「取引を確実に記録できるところ」です。
さて、これのどこがイノベーティブなのか?
これまで、デジタルといえばコピーが前提でした。するのもされるのもです。
デジタルで出回ったデータは「コピー」されることが当たり前ですし、それで多くのサービスは成り立っています。
例えば、私たちが日々使っているメールやチャットなども厳密にはコピーです。
なぜなら、私たちの手元からメールは無くならないですよね?
相手にメールが届いても自分のメールボックスに履歴が残る。お互いが内容を確認できるのです。
デジタルでのコミュニケーションはデータのコピーがどんどん増えることを意味します。
しかし、これが「通貨」だったらどうでしょう?
どんどん通貨がコピーされては価値などなくなってしまいます。
考えてみてください。
コンビニで100円のものを買う時に自分の手元の100円はそのままで相手に100円のコピーが渡るのです。これって通貨の存在する意味ありますか?
「通貨」は簡単にコピーされてはならない。
これは大原則です。ブロックチェーン技術を利用するとデジタル上で自分の手元から100円が無くなり、相手に100円が入金される。コピーされません。
そして、その記録は広く信頼され取引を担保します。
仮想通貨の価値をこのコピーされないところと世の中に存在する数に限りがある希少性に言及する人もいます。
真に自分の資産となる
次に、仮想通貨における取引の特徴を知りましょう。
今私たちが日常で利用している各種金融取引は基本的に「許可制」です。
私たちは銀行にお金を預けていますよね?
支払いもクレジット会社を通してやっています。
これらの金融取次は厳密にはそれら企業に依存しているのです。つまり毎回「許可」がいる
銀行からお金を下ろすことも、クレジット会社を通して支払いすることも私たちのコントロール外で拒否される可能性があるのです。
場合によっては手数料すら発生します。
また、それらの口座を作ることも一定の条件を要求され、現代社会では銀行口座を作れない人は、クレジットカードも利用できませんし、投資もできない。あらゆる金融活動に参加できなくなります。
この点、仮想通貨は本来的に自分のモノです。
送金も銀行を通さず直接個人間でやり取りできる。国による制限もありません。
取り付け騒ぎとも無縁です。
自分の資産は自分の手元に保持できる。
しかし、これは完全に自己の資産管理は自己責任ですよーということを意味していて、自分が秘密キーを忘れた場合は誰もその資産にアクセス出来なくなりますし、送金ミスがあった場合もブロックチェーン技術は即座にその取引を不可逆で記録しますので、取り戻せなくなります。
低所得層の金融市場への参加
上記の特徴を活かしたイノベーションが起こりうるのが世界の低所得層においてでしょう。
低所得層は銀行口座も作れない人が多く、金融サービスはもちろん普通の消費においてすら参加を制限されています。
これが、仮想通貨を利用できるようになると、スマホを持つだけで自分の資産管理ができ、送金や入金などを自由に自己責任で出来るようになります。
世界へ向けて金融取引もできますし、街角でパフォーマンスをして投げ銭を受ける時も仮想通貨で受ければお金の信頼性を気にしなくて良くなる。
中国でキャッシュレスが広がりながら消費が増えていることも同じ理由。銀行口座を持つ人が増えること、キャッシュカードを使用できるようになることは、消費が増えることに繋がります。
仮想通貨はそれを一気に飛び越えてスマホとアプリがあれば誰でも出来るようになる。
他にも色々言及することはあるんですが、要は仮想通貨は”通貨”なので、本来その利用価値に注目してみるべきものだと思います。
国の通貨発行権は国家の根幹なので簡単に明け渡しはしないでしょう。しかし、利便性を追求していくと通貨のボーダレス化と自己資産化は理にかなっているようにも思います。
今後どのようになっていくか?仮想通貨のうちどれが主流になっていくか?は神のみぞ知るところ
今現在、多くの人がこの利便性への期待値で買っているのか?それともイナゴが集っているだけなのか?その判断は誰にもできません。
以上、最後は定番の言葉で締めましょう。
仮想通貨投資は自己責任で