FPの95%はお金の専門家でも中立でもありえないという事実
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今回は、世の中に流布する勘違いを正そうかなと・・

いわゆる世間でFP(ファイナンシャルプランナー)と呼ばれる人たちは、

建前上「中立的、横断的なお金の専門家」ということになっています。

しかし、その実態は全く「中立的」でもないですし、「お金の専門家」でもないという事実をご存知でしょうか?

一応、私自身FP資格を持っていますので、その業界の人を見たり、そのビジネス実態や見聞きした事実をこの記事では書いていきます。

 

Contents

FPの種類

現在、世の中でFP(ファイナンシャルプランナー)と名乗っている人には大きく分けて二種類の人間がいます。

  1. 単なる金融商品販売者
  2. 資産家向けアセットマネジメント業務メインのガチFP

まずここからして一般的には知られていません。(アセットマネジメントとは、資産管理のこと。できる限り資産保護&運用し次代に繋いでいくような業務)

まあ、当たり前ですね。業界的に線引きしていませんし。FP資格自体は基本的にはお手軽資格であってその辺の主婦も3級くらいは持っています。

そもそもFP自体にお墨付きを与えられた専門領域はありません。ですので、その解釈や業務は多岐にわたります。ただ単に「FPです」と言われても、その人が何を専門としているのかは判然としません。

次に更に細かい分類を見ていきましょう。

 

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単なる金融商品販売者

まず、世の中の95%くらいのFP(ファイナンシャルプランナー)を名乗る人間はここの領域の人間です。

そして、この領域のFPは全く持って「中立」でもありませんし、「お金の横断的な専門家」でもありません。

この領域に属するFPの収益は何かしら”金融商品の販売手数料”を主としています。

 

保険、証券(投資信託等)、不動産

代表的なのは「保険屋」「証券屋」「不動産屋」が本体の自称FPたちです。

彼らは、一応FPという資格を取って一見「中立」を装いますが、その正体は「保険」「証券」「不動産」を販売した手数料で食べています。

つまり、この領域にいるFPが「中立」ではありえないんですよ。

結局、彼らの販売する金融商品に行き着くようなトーク(提案内容)になっているんですから。

老後の資金準備も、子供の教育費も、いざという時の遺族の生活費も、すべて保険という選択肢しか提案してこないFP(ファイナンシャルプランナー)が中立的でしょうか?

「証券」系も同じです。なぜ投資といえば毎月配当投資信託や?謎の仕組債、新興国通貨なのか?なぜまとまったお金が必要なのか?なぜ利回りばかり強調してリスクの説明はほとんどしないのか?

「不動産」系も、相談に来た人に対して「あなたこの家買わない方がいいですよ」とは絶対言いませんよね?だいたいにおいて、その人の融資一杯の物件を提案し、20年後、30年後の顧客のリスクなんて細かく説明しません。

この点、ツイッターでも不動産系のFPの出している返済比率を根拠にした融資が前提の提案がこき下ろされていました。

全部同じ。

最終的に、彼らの飯のタネはFPとしての無料相談後にある金融商品の販売にありますので、そこへ上手く誘導した恣意的な提案がメイン。絶対に自分たちの販売する金融商品から外れた提案なんてしてきません。更に多くの場合、顧客にとって良い提案ではなく、自分たちに取って都合の良い金融商品を提案してきます。(要は手数料が多く取れる金融商品)

そして、自分たちの所属する領域以外に関して、彼らはあまり詳しくはありません。

保険の人は保険しか知らない。

証券の人は証券しか知らない。

不動産の人は不動産しか知らない。

FP(ファイナンシャルプランナー)という肩書きは、彼らに取って”中立”を装う仮面でしかありません。

彼らが中立で横断的なその顧客に適した提案を総合的なお金の専門家として出来るわけがないんですよ

ちなみに、「中立的な独立FP」なるものを名乗っている人の大半は、特定の保険会社に所属していないだけの保険屋です。肩書きだけを見て短絡的に本当に「中立的なお金の専門家」なんだと騙されないように。

 

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無料相談の罠

金融商品販売業者がFPを名乗っている場合、通常「無料相談」をうたっています。

だって、彼らの飯のタネはその後に提案する金融商品からの手数料収入なんですから当たり前。

「無料相談」をするその人が何で食っているか?にちゃんと想像が及べば、「無料相談」なんかで本当に有益なアドバイスが受けられるわけがないと気付くと思います。彼らはあくまでビジネスであって、ボランティアではないんですよ。

本当に貴方が中立的で横断的なお金のアドバイスを受けたいのなら「無料」では期待できません。それはここまで説明したように構造的な問題です。「無料」を謳う業者は、必ず何かのインセンティブが働きますので。有益なアドバイスを受けたいなら「有料相談」、つまり金融商品の販売手数料ではなくその相談自体で収益を上げている人に相談しましょう。

 

資産家向けアセットマネジメント業務メインのガチFP

次に絶対的に数が少ないのがこちらのFP。

基本的に、こちらのFPが本来の「中立的」で「総合的なお金の専門家」と呼べるFPです。

違いは、メインの収入が金融商品販売の手数料ではなく、相談料や顧客の資産に対しての顧問料となるところ。

 

顧客の利益とバッティングしない

こちらのFPの特徴は顧客目線が基本というところにあります。

つまり、顧客の資産増減に自分たちの収入が連動する形をとるので当然に顧客目線でしかビジネスが成り立ちません。

対して、金融商品販売手数料がメインのFPは顧客の資産増減に何も責任を持ちませんし、そこにインセンティブがありません。極論そんなものどうだっていいのです。(証券会社のやり方を見ればわかるでしょう)

顧客資産が増えようが減ろうが自分たちの収入は販売時に確定し、更に収益を上げるには新たに何か手数料が取れる金融商品を売るしかありません。(そして、それは更に顧客の資産を削るでしょう)

 

資産家が対象

しかし、このガチFPの顧客は基本的に資産家です。

理由は、収益が顧客資産に連動するから。

当たり前ですね。同じ仕事量でも顧客資産が少ないと収入も少なくなってしまう。

日本では特に「相談」自体にお金を払うことや、資産管理や資産運用の専門家に相談することなんて一般人にはハードルが高く、考えもしないでしょう。

そういう意味でも、有料でも専門家に相談したい資産を持つ人、相談の結果大きく利益を得る可能性のある顧客がメインにもなってきます。

 

真に横断的なお金の専門家である場合が多い

当然ですが、こちらのFPは真に横断的なお金の専門家である場合が多いです。

どこかに金銭的インセンティブもなく、あるとしたら顧客の資産に対してのみ

このFPは、保険も不動産も資産運用も相続等も、広く知識を持ち、横断的に経済合理的な策を提案できなければいけない。そして、各領域の専門家と連携をとって解決策を実行支援する司令塔的な立場にもなります。(そもそもFPは日本において具体的な専門領域は手を出せないので、各専門家との連携は必須で全体像を描く司令塔的ポジションが適切)

更に、これらを実行する上で経済的な問題解決だけでなく相応のコミュ力も必須な職種です。

これらを考え合わせると、金融商品販売手数料を稼ぐことをメインにしたFPよりも広い視点でアドバイスできることは間違いありません。

 

FPを利用する時の注意点

一般人にとって、これらFPを見分けるのは困難です。

そして、2のFPの絶対数はそもそも少ない。ほとんどが1の金融商品販売者でしょう。

そこで、一般人が1のFPに勘違いして引っかからないための対応策を伝授しましょう。

 

それは、「貴方の収入は金融商品販売手数料がメインですか?」と聞くことです。

 

「保険屋なら主に保険を売って食べているのか?」

「証券系なら投資信託を売って主に食べているのか?」

「不動産なら不動産販売によって主に食べているのか?」

この質問にYESならそれは中立的なFPではありえません。

その人たちはFPと言うより金融商品のセールスマンです。

(注 中には販売手数料収入が20%で相談料、顧問料が80%というFPもいます。これはそこまで金融商品販売にインセンティブが働いていおらず別の選択肢が有益ならそちらを提案しているように思うので、2寄りでしょう。一律に販売手数料を得ることがダメというわけではなく、そこに不合理なインセンティブが働く事がダメだということです。

断っておきますが、別に私は金融商品販売者全体を非難したいわけではありません。中には顧客主義の販売者もいるでしょう。私も少数ですが知っています。(しかし、顧客利益と多くの場合にバッティングするこのビジネスモデルは長期的には破綻する気がしています。事実、アメリカでは金融業界のビジネスモデルの転換が行われてきています)

しかし、彼らがFP(ファイナンシャルプランナー)という「中立」「横断的お金専門家」の仮面を被って、その実は金融商品販売者として営業することは一般人を騙している行為に近いと考えます。

やるなら堂々と「保険屋」です。「証券屋」です。「不動産屋」です。と名乗ってやれば良い。そして、それらの専門家なのでそこにインセンティブが働き手数料を得ることは顧客側も理解できるし、納得するでしょう。

 

FP資格を取るだけでお金のプロにはなれない

最後に余談ですが、FP資格取ったからといって「お金のプロ」になんかなれません。

それは3級とかお手軽な資格だけの事を言っているのではなく、一番上のFP資格を取っても同じ。

そもそも試験内容が実務で使う事のないどうでも良い内容を問われる事が多く、全く実践的ではないのです。せいぜいなれても「一般人より詳しいかな?」くらいのレベル。全くの門外漢が資格を取ってFPとして独立とか普通は無理ゲーなんでやめましょう。

ついでに「投資」に関しても全く意味がありませんので初心者が投資の勉強のつもりでFP資格を勉強するのはやめましょう。時間の無駄です。

もし、「お金の知識」を得たいなら自分がその領域に興味があって学び続ける必要がある。その過程で得る知識の方が実践で使えます。現状FP資格自体は趣味で取るものだと個人的には思いますね。そもそも専門領域がないので資格がなくてもFP的な仕事はできますし

 

米国では

余談の余談

ちなみに、アメリカではFP(ファイナンシャルプランナー)の地位は結構確立されています。それこそ「良い人生には良いお金の相談先が必要」というくらいに。

あっちでFPといえば、基本的にCFP(国際資格)保持者のことで、なんでもかんでもFP名乗れる日本ともその点も違いますね。それだけレベルも高く、基本的に独立しているあちらのFPは2の資産家向け。

個人的には、日本でも中立横断的なお金の専門相談先としてFPは今後必要だと考えています。(現状そのレベルにないFPばかりですが・・・)

 

以上、「タダより高いものはない」という事を一般人は肝に銘じましょう。

「無料相談」などにほいほい引っかかるのではなく、彼らはどこにインセンティブがあるのか?を考えて、相談や顧問料で食べている人を選べば貴方にとって「中立」で「横断的」なアドバイスを受けられる可能性は上がります。

 

P.S

もし、本当に「中立的」で「横断的なお金の専門家」に相談したいという人がいるなら「問い合わせ」より連絡くれればご紹介します。もちろん「有料の」ですが・・

 

 

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