
資産運用をしている。
もしくはこれからしようとしている人は、”世界の視点”は必須です。
というか、グローバル化の進む現代に生きているなら人類全員にとって必要な視点だと個人的には思います。
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井の中の蛙
日本人は特に”日本国内”のことしか知りません。
なんでも日本視点の情報です。
国内の日本語ニュース番組なんて世界から見たら本当に偏った、狭い価値観からの内容でしかありません。
マスコミの偏向っぷりも酷いですし、視聴率至上主義による中身の浅いインパクトオンリーの伝え方も目に付きます。
更に、教育においても世界を知る為に重要と思われる「歴史」「地理」などは重要視されている感がありませんしね・・
ニュースを見た時に
「その本質は何なのか?」
「そのニュースはどういう意味を持つのか?」
「それが政治や経済にどういう影響を与えるのか?」
「それを受けて日本は、自分はどう行動すべきなのか?」
これらのことを考えながらニュースを見る人はどれくらいいるのでしょう?
例えば
「中国がなぜ強硬な姿勢で南シナ海に進出してくるのか?」
「アメリカはなぜ中国問題において日本寄りなのか?」
「今頃、ロシアが北方領土問題について譲歩姿勢を見せてきたのはなぜか?」
「冷戦ってなに?」
「そもそも、ロシアってどんな歴史なの?」
「中国は?」
「北朝鮮のバックに中国がいると言われているけど、それはなぜ?」
「朝鮮半島の地理的意味は?」
「集団的自衛権って何?」
「NATO(北大西洋条約機構)ってなに?」
「石油価格はどのように決まっている?」
「シェール革命ってどんな影響があるの?」
「エネルギー問題の要諦は?これからどうなる?」
「EUは上手くいっているのか?その歴史的経緯は?」
「EU加盟国の力関係は?」
「英国のEU離脱は本当に誰も予想できなかったのか?」
「ドゥテルテ大統領は中国寄りの発言をしてるけど、信用していいのか?」
等々
とにかく日々大量に流れてくるニュースですが、その歴史的背景、各国の力関係や思惑、資源の問題、日本への影響を知っていて見るのと、
「ふーん、いろいろ大変だねー」とか、ただ単に「中国けしからん!」とか、「集団的自衛権反対!」とかとか
何のフィルターも通さずにマスコミの意図した通りの反応をするのとでは、天と地ほども情報の吸収度合いが違います。
地政学と現代史
世界史って高校の頃勉強したんですが、私は全く覚えていません。
学校の歴史の勉強って「日本が戦国時代の時ヨーロッパは何してた?」みたいな各国との連動性がないし単なる「年号」と「人物」の暗記に終始していて歴史の流れ(ストーリー)が点でしか理解できずブツ切れ状態。
端的に言えば全体像が非常にわかりにくい!!!
学校の勉強に限らず、どの分野でも「一から個別具体的にステップを踏む教科書的な学び」って本当に効率悪いと思います。
パラシュート型の学び方
これは自分で勝手に名付けたんですが、何かを学ぶ時は「パラシュート型」の学び方をすると効率がいいと思います。
どういうものか?というと
- まず大雑把に全体像をつかむ
- 全体像からそれぞれの関連性をつかむ
- それから個別具体的なことを学ぶ
です。
パラシュートで空から降りてくる時のように、上から俯瞰してだんだん細かいとこを見ていく感じですんね
教科書的学びはこの逆。
専門分野の勉強でも「マジで教科書作っている人はアホなんじゃないか?」といつも思ってます。
もの凄く分かりづらい。
知識ゼロ状態から細かい部分ばかり注目させられ、それぞれの関連性も意味も分からずに勉強するのは苦痛以外の何者でもない!
すみません、愚痴はここまでにして話を進めましょう。
冒頭の世界の流れ、各国の力関係などを一から世界史とかで学ぶのは非常に面倒ですよね?
ですので、この記事では世界の現状を手軽に「パラシュート型」で学べる方法をお伝えします。
地政学
地政学って聞いたことありますか?
高校とかでも多分学ばない教科です。
大雑把に言うと「世界を地理的意味合いから理解しようとする学問」になります
これ面白いんですよ!
「信長の野望」や「三国志」のゲームが好きな人には絶対おすすめ
例えば、
世界のパワーバランスや位置から小さな国でも非常に重要な意味を持つ国があったり
なぜ歴史的に海軍が強い国は力を持つのか?(シーレーンの重要性)が理解できたり
どの国と組むのか?という安全保証の重要性が理解できたり
このように、世界を舞台に各国の意味合い、駆け引きを学べます。
そこでは、日本は本当に極東の小さな国だなと実感しますし、地政学的意味から日本の立ち位置も見えてきます。
私は、初めて地政学を学んだ時、日本からしか世界を見ていなかったこれまでの視点と、地政学的意味から日本を外から眺める視点の移動はとても刺激的に感じました。
ということで「世界の全体像をざっくり掴む」おすすめ書籍を二つご紹介します。
まずはこちら
約20年前に書かれたアメリカ視点の世界戦略の本です。
約20年とかなり時間が経っていますが、世界のパワーバランスや歴史的意味、各地域における注目すべき要点、そしてそれらの将来像を非常に分析的に見通しており、そのエッセンスは今でも世界の理解に役立ちます。
しかも20年経っているので、本に書かれている予測の結果もある程度出ており驚くほど正確にその後の歴史を予言していることに気づくはず
「大衆から貴族になろう」の記事でも言及しましたが、”世界の知性”は実はかなり正確に”未来を予言”しているのです。
そういう意味でも名著を読むことは自分のためになりますね
次に紹介するのは我らが池上大先生 笑
日本の教育の中でも非常に手薄な分野と言える「現代史」をとても分かりやすく講義してくれます。
現代史って今の世界に繋がるめちゃくちゃ大事な部分なんですけど、学生時代、この分野の勉強はもの凄く早く過ぎ去った気がしませんか?
しかも、現代史は結構複雑で入り組んでおり、池上先生も言っていますが、定説として固まっていない部分もあるようで詳しく踏み込みにくいのかもしれません。
特に日本では第二次大戦前後の解釈に色んな主張の対立がありますし…
そこを池上先生が分かりやすく解説!
以上、ご紹介した二冊を読めば世界の大雑把な形は分かると思います。
その後、興味がわけば各論の細かい部分を学べば良いかなと
そして、以下のように問題の背景や意味を理解しイデオロギー全開や感情論ではなく冷静に議論できるような環境になればいいなと思います。
(どこまで行っても主観は混りますがね)
「国内の感情は置いといて、集団的自衛権の問題で日本がそれを拒否することの特殊さを理解して欲しいですし、将来の日本の安全保障に関してリアルに考えて欲しい」
「東アジアにおいて、中国の影響力をどう押さえこむか?が世界にとって、そして日本にとっても重要なのに、わざわざ中国に吸収されに行く意見を強硬に主張する輩はどんな人なのか?を考えて欲しい」
「安全保障、エネルギー政策に関わる原発の議論において感情論ではなく幅広い知見からの議論して欲しい」
「浜岡原発を一国の首相の一言で止めたことが、法治国家の信用を揺るがす問題であると考えている人がどれだけいるのか?ということについて考えて欲しい」
(ちなみに私は、反原発寄りですよ。)
これらイデオロギーの対立や感情論になりがちな問題を冷静に話せる人が増えたらなーと思ってます。
そして、経済はあらゆる物事の影響を受けますので資産運用をするにあたっても世界の動きを理解することはとても重要。
投資のポイントは、「歪み」を見つけること
お分かりのように世界の流れや出来事の意味が分からなければ、「歪み」は見えません。
長くなるのでここでは詳しく触れませんが、「通貨」に関しても世界の視点で運用すべきと私は思っています。
どこの国が強いのか?資源の流れは?これらが通貨の価値に大きく影響を与えます
これらは慎重に選ぶべきでしょう
例えば一つの通貨で全資産を持っている場合、為替が20%変化しただけで株式投資等でいくら分散していても一律20%下落とかになるのです。
「日本円」は将来価値が上がるのでしょうか?
以上、日本を外から見る、世界の歴史を理解することはとても楽しく有意義ですよーというお話でした