
井上尚弥が今日河野戦に臨みます。
井上尚弥を見れる幸せ〔日本ボクシング史上最高の素材〕 | assets人生
井上尚弥
上記の記事のように私は井上の素質をとても評価しているのですが、ここ数戦を見ていてその将来にはかなり不安になっています。
この記事では、その理由を述べようと思う。
Contents
相変わらず素材は一流だが・・
前回の記事で書いた通り、今でも井上の素材は日本ボクシング史上NO1だと私は思っています。
ナルバエスに勝った時に抱いた期待感は「日本を超えて世界のボクシングマーケットにおける大スターになれる!」と思ったほどでした。
しかし、その後の井上の試合内容やコメントを見るたびに残念な感じに・・
断言しますが、今の井上の考え方、パフォーマンスではロマゴンにも勝てませんし世界的スターにはなれないでしょう。
このままでは現行の乱立した安い世界チャンピオン止まり。
所詮日本限定の才能に終わる可能性が高いと思います
井上尚弥のメンタル
私が考える一番の問題は、井上尚弥のメンタル部分です。
井上の不安要素でよく指摘されるのは毎回壊す「ガラスの拳」が多いと思いますが、私はそれ以前に井上尚弥の「調子こきメンタル」が一番の問題だと考えてます。
毎回、「圧倒的に勝つ」とか「試合内容は良かった」とか「反省して次に活かす」みたいなことを言っていますが、どれも薄っぺらく実がないように思う
理由は、単純に「そのコメント通りになったことがないから」です。
最近の試合内容は期待はずれで、能力からしたら差がある相手とごちゃごちゃ打ち合い全然圧倒的じゃない。
そして、試合後の反省が次戦に活かされた形跡がありません。
ここ1年の井上尚弥は私が見るに全く成長していないんですよ
まず、試合前に相手を見下し「実力通り圧倒する!」とふきますが、その通りのパフォーマンスを見せたのはナルバエス戦以降ありません。
謙虚さが見えないんですよね。自分の方が相手より実力が上だと自覚し現状に満足しているような印象を受けます。
断っておきますが、私はスポーツに礼儀を求めるタイプではありません。
バッドボーイタイプが好き
圧倒的な実力があり、その力を示し続ける選手は何を言ってもいいと思っています。
そういう言動は自分へのプレッシャーであり、自分のテンションを上げる方策でもあるでしょう。
むしろ、そういうパフォーマンスをしてその上で結果を出す選手はカリスマ性があり、個人的には大好きなタイプなんですよ
しかし、井上のこれまでの試合を見る限り、その言動は単なる「驕り」に近い印象がある。
事実、井上のパフォーマンスはずっと低調で期待はずれが続いていることが証明していると思います
試合後も毎回「反省」を口にしますが、それが次戦に活かされたことはありません。毎回同じ失敗をしている。成長していない。
挙げ句の果てに、試合直後の「反省」が時間が経つと「そんなに悪くなかった」と訂正される。
どれだけ自己評価が高いのでしょう?基本的に井上は自分に甘い印象があります
パフォーマンスっぽく調子の良いことを言い、試合後は謙虚なコメントしているけど、それは井上の本心ではないように思います。
心の深い部分でボクシングをナメてる
野球の松坂やハンカチ斎藤と同じ匂いを感じるということです。
これが、井上尚弥の真の心ではないか?というのが私の一番の懸念です。
具体的に
①「井上は、毎回拳を痛める。」
これは言い訳にならない。ナックルの当て方が下手で強引なストレートを打っていることも原因にあるように思います。
拳を痛めやすいならそれなりの対策をして臨むべきなのに、毎回同じ失敗を繰り返している
今では毎回低調な試合の「言い訳」に使っていますし・・(にわかファンが、拳を痛めているのに頑張ってて凄い!と持ち上げるから余計に・・)
②「井上は以前よりコンビネーションが減りました」
毎回、一発狙いで大きなパンチを当てようとしています。ナルバエス戦までは、強く、正確なコンビネーションブローの中、タイミング良く打ち抜くパンチで相手をボコボコにしていました。
今はナルバエス戦での一撃の幻想に取り付かれているのか一発KOを狙いすぎ。
その結果、拳も痛めているのかもしれません。
③「出入りが少ない&ブロックだけするディフェンス」
井上の特徴に、「スピード」と「距離感」があります。
以前の試合では、素早い出入りからコンビネーションブロー、カウンター、を入れていました。
しかし、今では細かい出入りが激減。足をあまり動かさずそのセンスと相手とのスピード差のみで捌こうとしています。
結果、全て捌ききれず不用意なパンチをもらいますし、自分のパンチ的中率も落ちています。
センスは間違いなくありますが、接近戦においてはそこまで凄いレベルじゃないので以前の通り足を使いパンチをかわすディフェンスをした方が安全ですし、パンチもより当たるでしょう。
更に、目に付く井上のディフェンスの仕方は、ただ突っ立って両手でブロックするだけというのが有ります。
これでは、反撃が出来ない。
もっと言えば、最近の戦い方は攻防分離しているのです。
あれではリズムが悪くパンチのヒット率は上がらない。
更に、相手はブロックの上からでもパンチをヒットしているのでリズムに乗れる
最近の井上の試合が変に乱打戦になるのは、この意図のない攻防分離につながる”両手ブロック”が大きな原因な気がしますね。
井上の能力を考えれば攻防一体のボクシングでパンチはかわせます。(事実これまで何度もそんな試合をしています)
意味のないブロックはやめてほしい(この点も反省して改善されたことがないです)
④「接近戦が下手&試合中に集中力を欠くことがある」
井上は万能タイプです。
井上にとって一番リスクが少なくその能力を発揮できるのは細かい出入りからコンビネーションブローを放つことでしょう。
その井上がここ最近は接近戦をよくしています。その理由は上記の通り色々絡み合っているので簡単に改善できないかもしれません。
接近戦は他の選手と比べて苦手ではありませんが、井上の本来のレベルから言えば下手くそと言えます。
さらに、試合中必ず集中力を欠くことがあり、特に接近戦時に不用意なパンチをしばしばもらう・・これは良くない癖です。
(この癖も相手を下に見てナメているからかも)
パンチをもらい、ダメージを受け、そのダメージから更に足が動かず、ごちゃごちゃ接近戦での打ち合い・・このパターンが最近顕著です。
もっと動きのあるスピードを生かしたスタイリッシュなボクシングに返り、接近戦のスキルを上げて、集中力を保つ。
これが、今の井上尚弥に必要なことだと思います
ごちゃごちゃ言い訳やパフォーマンス目的の発言は言わなくていい。
反省もしないなら口にするな
ただ、結果を出せ
これに尽きます。
イチローや大谷のメンタル
やっぱり天才が努力すると最強です。
イチローや大谷はそのタイプに見えます。
ただでさえ天才と呼ばれるほど素質があり、更に情熱を持って努力ができる
多くの天才と呼ばれる人はその力に溺れ調子に乗ってただのちょっと凄い人になっていく中、彼らは異質な存在です。
というか、一流の世界では天才は一杯いて上には上がいるんですよね
ある専門分野で本当のトップになるには、天才なだけじゃダメで、あくなき努力を継続できるか?自分に厳しくあり続けられるか?がとても重要なのでしょう
ボクシングのレジェンド、パッキャオもメイウェザーも変態なくらい練習しているようです。
普通のボクサーは練習についていけないと聞きますし・・
どっちも速すぎ!
もちろん、井上ももの凄く練習していると思いますが、自分への厳しさはメイウェザーやパッキャオには届いてないと思います。
井上も早くアメリカに行き、環境を変えた方がいい。
不甲斐ない試合をしたら厳しく評価される場所へ
日本はなんだかんだぬるま湯です。にわかファン向けの浪花節や頑張っている姿でのアピールではなく純粋なパフォーマンスで黙らせてほしい
私は、井上尚弥に期待しているからこそ注文をつけたくなるのです
今日の試合、期待して見たいと思います。
[2017年1月2日追記]
河野戦を見た感想です。
率直に、あまり意味のない試合でした・・・
戦前から井上と河野の間に大きな実力差があることはわかっており結果は妥当な結果です。
井上は苦戦もしないでしょうし、順当にいけばKO勝利になることは予測できる
では、私はこの一戦の何に注目していたのか?
井上は成長しているのか?
この一言に尽きます。
主に
- 「接近戦スキルの向上」
- 「集中力の維持、リスク管理」
- 「足を動かし続けられるか?」
の3点に注目していました。
接近戦スキルに関しては、河野との差があまりにもありすぎて確認出来なかったというのが正直なところ。
井上の接近戦スキル向上の余地は、「サイドステップ」「ショルダーブロックなどパンチを逸らす技術」「アッパーの使い方」にあると思います。
「サイドステップ」は最近で言えばロマチェンコが一番上手いですね。
近距離でも常にサイドステップで相手の側面に回り、パンチの当たらない位置+自分のパンチは出しやすい位置に移動する。
これが出来ると、スピード差のある場合ほぼ無傷で戦えるでしょう。
今の井上は正面から行きすぎます。
「ショルダーブロック」はメイウェーザーが代名詞です。
井上の問題点として指摘した真正面からの「両手ブロック」の代替案になります。
私は、本当に必要な時以外は単なるブロックは良くないと思っています。ブロックでは反撃につながりません。
パーリング、もしくはパンチを逸らす、躱すことにより、攻撃のタイミングが作れる。
相手としても空振りが一番疲れますし、攻撃しているのに逸らされ、躱されてパンチの手応えがないことが心理的プレッシャーになります。
一方で、ブロックの上からでも正面から打たせることは、相手に手応えとリズムを与える。
「アッパーの使い方」は、接近戦時のアクセントになります。
接近戦時は、頭を下げていることが多いので、ストレート系、フック系ではクリーンヒットになりません。
アッパー系はその点有効です。また、腕もたたんで打つので接近戦時にもパワーがあります。
接近戦の上手い選手は効果的にアッパー系を混ぜて的確にダメージを与えていることが多い。
井上はこれまでの試合で、接近戦時に効果的なアッパーを直撃させたことは多分なかったと思います。
相手との距離が近づきすぎるとなかなかダメージを与えることに苦労しているイメージ。
「集中力の維持、リスク管理」に関しても、今回改善が見られませんでした。
常に細心の注意と警戒を持って相手と対峙して欲しい。
今回は、特に試合中の態度からも河野を舐めていましたね・・
今までは、露骨に表には出ていなかったこの記事で指摘した井上の本心が態度に出ていたように思います。
ボクシングは油断による一発で終わる競技です。特にロマゴンなどトップの選手との対戦では致命傷になるでしょう
「足を動かし続けられるか?」も改善していません。
足を止めて無駄に河野に打たせていました。
カウンターのタイミングを計っていた?
井上の能力からすれば無駄に打たせることなく、流れからカウンターは取れます。
「ブロックの上を打たせて大ぶりを待ってカウンターを取る。」これは不器用なパワー系のボクサーがやる作戦です。
井上にとって、ブロックの上から打たせることは相手にリズムを与えて、パンチももらう可能性を上げる行為で試合を長引かせ、余計な反撃を受ける行為にしかなりません。
以上、河野とのレベル差がありすぎて諸々確認しづらかったですが、印象としては井上の心は変わっておらず、成長の跡も見えませんでした。
私が期待したのは、実力差のある相手に対しても油断せず反撃の余地も残さず完封&鮮やかなKO勝利。
今回の試合内容はそれとは程遠い。
「河野も頑張った!」とかいう評価をされること自体がダメ。
そして、井上は試合後、「納得し満足している」とのこと
・・もっと上を見て欲しいです。
[2017/5/21 5回目の防衛戦ロドリゲス戦を見た感想]
今回は完璧でした!!これが見たかった!
最後まで集中を切らさず圧倒しましたね。これが井上尚弥ですよ。
相手に打たせず一方的に打ち倒す。井上尚弥はそれが出来るボクサーです。
驚いたスイッチ!
今回一番の驚きは、途中構えを左にしたスイッチです。
いつもの右構えから物凄いスピードで打ちまくっていましたが、ガードの堅い相手の穴を見つけたのか、一瞬気づかなかったくらいスムーズなスイッチから綺麗なワンツーを入れました。
それも二度。完全にロドリゲスは面食らっており、対応出来ていませんでしたね。
やはり、ボクシングセンスが素晴らしい・・・あんな違和感のないスイッチはハメドやクロフォードくらいしか見たことないです。
また、戦法の幅を広げましたね。今回は相手のレベル云々は置いておいて、強くなったと感じました。
拳の怪我へのリスクコントロールにもなるでしょう。
コンビネーションとカウンター
コンビネーションとカウンターも戻っていました。最後のKOも完璧な左フックのカウンターです。
攻防の流れの中から自然にカウンターを取れる技術とセンスはやはり素晴らしい。私が期待していた戦い方はこれでした。
とにかく、今回は文句なし。
1ファンとしては、このままラスベガスへ行って欲しいです。これ以上の日本のリングは時間の浪費です。
大橋会長マッチメイクよろしくお願いします。