オ・モ・テ・ナ・シが、ハリボテなジャパン
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こんにちは、imoです。

今回は、オモテナシのお話。

・・・じゃなくて、諸々ハリボテサービスが多いよねという個人的なクレーム。

もとい!愚痴を聞いてもらいたいと思います。

昨日、こんなツイートを垂れ流しました。

 

 

 

 

 

 

要約すると「ハリボテのボッタクリが多くてワイ激おこ!」というもの。

ツイッターだと誰もまともに読んでないし、脊髄反射いいねRTと感情と共感のドンブラコ(意味不)なので、そんな感じで全然問題ないんですけど、ここではもうちょっと別の視点も加えて深掘りしようかなと思います。

 

Contents

ビジョンもストーリーも無いハリボテ

先日書いた「ビジネスってビジョンとストーリーが大事でっせ」という長い記事があります。

「サブスクビジネスってなんや?」

 

気が向いた人は是非読んでみて下さい。

6000字程の上記記事を要約すると

 

  • ビジネスはビジョンありき
  • テクニカルなそれっぽさの演出は本質じゃない
  • ストーリーが動いているという事実に人はお金を払い続ける
  • ビジョンはお題目で終わっては意味がない。体現している必要がある

 

みたいな感じ。

はい、抽象的ですね。

 

ですので、今回書く内容が上記の記事の具体例、補足という位置付けになります。

キーワードは、「ハリボテ」

一見、ビジョンもストーリーもあるように見えるけど中身がスッカスカというパターン。

 

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ビジネスはハードとソフトの両方が必要

飲食や観光業は分かりやすいですが、基本的にビジネスはハード(店舗など)とソフト(サービスなど)が必要です。(ハードは業種によって色々。昨今のいわゆるIT系はハードは殆ど持ってないですね。しかし、独自の強み、ビジネス上の堀をより強化するために最近はそんな企業達もハードを保有する例が増えています。ex Amazonとか)

そして、優秀なビジネス、長続きするビジネス(サブスクに適したビジネス)は、ハードもソフトも綺麗に統合されていて違和感がありません。

そうです、「違和感」が無いがことが重要な点。

これは、言い換えればその企業が掲げる「ビジョン」が全体として体現されていることを意味します。

 

チグハグなハリボテ感

実際に自分が体験した、見た目は高級そうな旅館やホテルを例にとりましょう。

HPもオシャレで高級感が漂い、温泉も趣のある雰囲気で施設としても清潔そう。

料理も地物を使い、新鮮な食材を堪能できると紹介されている。

また、周辺アクティビティも充実しているらしく、素晴らしい滞在を約束してくれそう。

 

よし!今度の長期休暇はここだ!

 

ということで、いざそんな一泊一人4、5万の高級旅館へ行きました。

現地に着くと、確かにHPで見たとおりの高級感と趣のあるエントランスです。インテリアもセンスが良い。期待が高まります。

そして、チェックインを済ませポーターが荷物を部屋に運びつつ案内してくれる段になって違和感が起こる。

なんか施設説明が慣れていない・・・

動きがぎこちない・・・

重ねた荷物を落とす・・・

部屋に着いても

部屋食の時間をチェックイン時に聞き忘れたと電話が来る・・・

ん?部屋の洗面台のドライヤーがパワーの弱いビジネスホテルと同じだ・・・

ベッドサイドに電源がない・・・

 

一個一個は細かい点ですが、なんか違和感がある。殺人事件でも起こる前兆か?(コナンの見過ぎ)

部屋は最近改装されたとのことで諸々新しくなっている中、その分手を抜いているところが目立ちます。

温泉に行っても、脱衣所のタオル回収箱がぐちゃぐちゃ。

 

その後、ロッキングチェアがあり、BARも併設された雰囲気の良いラウンジでゆっくりしようと向かうけど、BARに人がいない。(営業中のはず)

お風呂上がりにそこでビールでも飲もうと思ってたのに・・・

 

そんなこんな、全体的な施設自体は非常にお金がかかっている感じだけどなんかモヤモヤする。

そして、夕食。

まず、乾杯の飲み物が中々出てこない。

再度呼んで聞いてみる。(ビールが大半なんだから瓶ビール出すだけなのに)

料理も、コースで色々出てくるんだけど、部分的に長時間放置されていたであろう乾いた料理が出てくる。あと、単純に味が微妙。刺身も一部食えたもんじゃない。

 

うーーーん。何だかなぁ

全体として年齢層高めなのにスタッフも洗練されていないし、マニュアルをただこなそうと必死。

の割に適当で、そのマニュアル自体もまともにこなせていない。

愛想やアドリブもない。

8割バイト、みたいな。

他にもたくさんたくさん違和感を感じつつこれ以上は自粛!

翌日チェックアウト。

 

もう・・・二度と来ないかな・・・

そんな感想でした。

 

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ハードに投資を全振り

私は、他にも何件か旅館やホテルで似た体験をしましたし、別ジャンルでの観光施設も似た体験をしました。

飲食店も中途半端な高級店っぽいところは、全体としての統一感より違和感を感じる例は枚挙にいとまがありません。

 

そんな違和感が起こるサービスの共通点はなんなのか?

舞台装置はオシャレ、パンフやHPに書かれているお題目もそれっぽい。

値段も一般的には高級な部類。

でも、いざ利用してみると事前の煽られた期待感とは裏腹に何も伝わってこないし、細かいアラが目立ち不満ばかりが残る・・・良い体験として印象に何も残らない。

 

こういうサービスの特徴はお金がかかっているのは主にハード面。

時代は「インスタ映え、インスタ映え!」です。

ぱっと見が魅力的に見えれば集客は出来る。

どこかのコンサル辺りがバックにいそうな感じ。

取り敢えず、豪華に見せて、質が良さそうに見せる。

そこに集まってくるインバウンド始め、一見さんをゲット。

 

そんなビジネスモデル(?)が至る所に幅を利かせているオモテナシジャパン。

ハードばかり豪華に見せてソフト面はそっちのけ。

 

ソフトへの投資

ハードに金かけて集客出来て売り上がるならいいじゃない?

と思う人はこの後は読まなくていいと思います(笑)

 

で、実際経営者の一定層はそこにしか興味がない。

「数字でんの?即効性あんの?」と。

「言いたいことは分かるけど、何で効果測るの?」「いつ結果出るの?」と

マーケティング分野を筆頭に、分かりやすいハードへの投資、広告代わりのインスタ映えみたいな拡散効果、等々はテクニカルな分野なので数値管理がしやすい領域です。

つまり、他人へ(経営層へ)説明しやすい領域。

組織内でプレゼンして採用されることを目的とするならばやりやすい領域。

 

前回も言及したアートとロジックのぶつかり合いは、まともにぶつかるといつもロジックが勝ちます。なのでアートの分野での施策は中々実行が難しい。実行できるとすれば、トップがアートの素養を持っていて、その重要性を理解していることが必要になる。

要は、ロジックとアートがぶつかった時にアートにアドバンテージを与える判断が出来る経営者でないとアート分野の強化は中々されないのです。

で、この記事で言いたいソフトの話は結構アート寄りの話になります。

 

ソフト=ビジョンの体現

端的に言えばこの記事でのソフトの強化策は、その企業の掲げるビジョンの体現と言えます。

何の理想を掲げてその事業をやっているのか?

WHYから始めよってやつ。

 

ここがはっきりしていれば、上から下まで違和感のない顧客体験になっていきます。

旅館なら、ハードに全振りしたサービスではなく、客の滞在体験全部を通した満足を追求するはず。

リッツカールトンなどは有名ですね。

 

冒頭の私の体験記で「ドライヤーとか細かい男だな」と思った人がいそうですけど、そういう細かい点まで洗練させないと「ビジョンの体現」までは不可能です。

客に「違和感」を持たせてはダメ

「この雰囲気ならこうでしょ」をネガティブに裏切ることが積み重なって「もう行かない」になる

 

手持ちのハードもソフトも、掲げるビジョンを体現するために必要なものであって、別にハードが特別豪華である必要もないと私は思います。

あまり私は行ったことがないですが、ラーメン二郎のビジョンは多分お店(ハード)も店員(ソフト)もその二郎ビジョンを体現されているからジロリアンみたいな人たちが世の中に沢山いるのでしょう。

そうです。二郎のラーメンにトリュフを乗せてはダメなのです。それは二郎にとって「違和感」になり、ジロリアンは離れていく。

 

二郎みたいな例ではなく、いわゆる「美味しいもの出しまっせ」的なビジョンの飲食業なら、店で出すものすべてにプライドを持ってもらいたいと個人的には思います。

それこそ、お水やご飯などの基本部分に気を使っているとそれ以外の料理も皆美味しいんだろうなと思いますし、接客もよくあるクロスセル狙いのマニュアル通り「飲み物のお代わり」を聞くだけではなく、気遣いのあるタイミングの良い接客なら最後まで違和感なく食事を楽しめます。

 

ソフトの強化は人材ありき

ここが大元の問題かもしれない。

ソフトの強化は殆どの場合人材が必要です。通常、短期のバイトだと難しい。

 

昔のような家族的経営みたいな会社はもうほとんどないですしね。

それこそ、インスタ映えしている高級旅館や宿は経営とオーナーが違う例も今は多くよりビジョンみたいなものは置いてけぼり。(こんな魅力的な宿に見せる!というそれっぽいマーケティングは優秀)

ただ、ディズニーのように採用レベルでその企業ビジョンを深く理解している人材(バイト)なら短期の訓練で高次元のビジョンの体現が可能です。

あれは、本当にすごいと思う。

 

殆どのバイトは、ディズニーの世界観が好きで面接を受けにきて、ディズニースタッフになること自体に誇りを持っている例も多いでしょう。

ビジョンが明確で、それがスタッフに浸透しているといわゆる感動を生み出せます。

なぜなら「ビジョンに沿ってさえいれば何をやっても良い。」という裁量権を一バイトにすら与えられているに等しいからです。何が自分に許されているか?が分からないからマニュアル人間になっていく。怒られないように、ミスしないように、ということにのみ意識が向き、人間(客)に意識が向かなくなる。

ビジョンが共有されているということは、その場で何が自分に求められているかが明確だということですし、それは言い換えると個々人が自主性を獲得することを意味します。

そういう諸々が相まって、マニュアルを超えているけど、ビジョンに沿ったサービスが提供されて、客が感動するということが実現されるんです。

逆に、ディズニーの客が減る、体験の質が落ちるとしたらスタッフにディズニー好きが集まらないような事態になった時でしょう。(そして、それは既に一部起きている気がする)

 

企業全体としての「ビジョンの体現」はそれほど大変だし、時間もかかる上に個別の数値では事前に計りづらい。

しかし、ディズニーレベルまでいけば強引にマーケティングなどしなくても、勝手に口コミが広がり、何度もリピートされ、採用もよく訓練されたビジョン共有者が勝手に来ます。

あらゆる面で好循環になる。

数値で言えば、①マーケティング、広告費が極限まで圧縮できる②売上が安定する③利益率が高くなる③人材獲得が容易&教育も短縮化される、等々その他諸々良いことが起こる。

これがサブスクビジネスの本当の勝者です。

 

まとめ

大事なことは一貫していること。

ビジョンを体現していること。

違和感を与えないこと。

 

「神は細部に宿る」とよく言われますけど、本当にそうだなぁと色々なものを見ていて思います。

細かい違和感の積み重ねで「なんか嫌」「印象に残らない」「雑」「物足りない」ということになり、ハリボテ感になる。

 

まず必要なことは、WHYですし、その後はそれをどう体現していくか。

そして、それを体現するためにハードやソフトに何が必要か。

そこから、サービスはこういう風にして、ハコはこんな雰囲気で、みたいに落とし込んでいく感じ。

 

ハリボテビジネスは、まずそれっぽさ。広い意味でのインスタ映え。

次に、目先の数字。

即効性。売れるかどうか。

ダメになったら即撤退。

ビジネスチェンジ。

次の儲けるモデルを探す。タピオカとかタピオカとかタピオカとか

トレーダー的。

 

どっちが好きか?は人の好みではあるでしょうけど、個人的にはハリボテはイラっときます。

中身のなさにがっかりし、コスパ最悪認定。

 

せっかく、インバウンドで海外から来てくれているのにハリボテの日本を見せるのは忍びないです。

私が行った旅館とかも外国人が沢山いました。

同じ宿に泊まっていて残念な気持ちになるたびに、

「いや、日本はこんなものじゃないんですよ」

「もっと良い旅館は沢山あるんですよ」

「もっと料理も美味しいんですよ」

「オモテナシなんてここにはないんですよ」

と一人思ったもんです。

彼らが体験したものは「日本っぽさ」だけ

残念無念。

 

もっと、細部に気が使えるサービスが増えると良いですね。

体験した後に何か伝わるモノ、残るモノがあると良いですね。

ディズニーなんて、まさに夢の国。

いいおっさんが耳付けてはしゃいでる夢の国なんですよ。

ハリボテでは、何も残らない。

 

という愚痴でした。

それではまた

 

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