【サッカーW杯】日本代表を長期低迷に導くかもしれない西野采配

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昨日のサッカーW杯、日本対ポーランドが物議を醸していますが、個人的にこれは結構日本サッカーのターニングポイントなんじゃね?と思いました。

問題の中身は他のニュースで知っている人が大半だと思うのでその詳細は割愛。

 

賛否の整理

まずは、賛否の整理をしましょう。

賛成派

曰く

  • 勝ちに徹したクレバーな判断
  • 勇気ある撤退
  • 合理的な判断
  • 結果よければ全て良し
  • 勝てば官軍
  • スポーツでは当たり前
  • 真剣勝負の場では仕方ない判断
  • リスクは最小限に
  • 大きな大会だし当然の選択。同じ状況なら他の国もやる
  • ルールの範囲で最善策をとった何が悪いんだ?
  • 等々

まとめると、大人な判断、合理的な判断、現実的な判断、(批判に負けなかった、不本意ながらも実行した)勇気ある判断、ってとこでしょうか。

この視点は、発信している人のキャラクターを見てみるに、インテリ風で何事も客観的な感じの人が多い。

「自分、大衆とは違って感情や不合理なことに惑わされず判断できるんですよ」

という態度の人ですね(笑)

言い換えると「利害を計算できる人」と言えるかもしれません。ビジネスの世界で優秀な人も多いかも。

 

批判派

曰く

  • 不謹慎
  • 冒涜
  • チキン
  • 茶番
  • 無気力

具体的なキーワードは少ないですね(笑)

 

「次の試合でボコボコにされれば良い」

「ある意味試合を盛り上げてくれた」

「負けたのに喜ぶ日本人の姿は奇妙だった」

 

等々試合を見ていた人の感想もただ感情的に許せないという感じが大半。

こちらは見たまんまという感じですね。

賛成派は、このような感情論に対して「感情だけじゃなく現実を見ろよ」、「合理的に考えろよ」、「結果が全てだろ?」と攻撃しています。

 

 

自力で勝利を掴む気力

さて、ここで私の立場をハッキリさせようと思いますが、ズバリ批判派です。

しかし、理由の面は上記のどれでもない

私が強く昨日の日本代表を批判する理由は、「自力で勝利を決定づける意志の欠如」にあります。

昨日の試合は、後半残り15分くらいから日本代表は自陣深くでパス回しを始め、ポーランドも全くそれを追わないという問題の状態になりました。

他会場のセネガル対コロンビア戦の状況がこのままなら日本は何もせず過ごす事で予選突破が確定する。

しかし、まだ残り15分ある。

そして、セネガルが一点でも取れば日本は予選落ちになる瀬戸際にいることは変わらない状況。

あの時、日本には二つの選択肢が残されていました。

  1. 一点取って自力で予選突破を確定させる
  2. セネガルが点を取らない方に賭けて無難に時間を潰す

ご存知の通り、日本の西野監督は昨日2を選択しました。

つまり、他力にすがった形。自力で予選突破を確定させることを放棄した形。

あの時点での、予選突破の確率は確かに2の方が高かったかもしれませんが、まだ15分も時間が残っている状況です。全然セネガルが点を取る可能性はあった。

日本代表は、まだ時間的に余裕のある時点で早々に自力による突破を放棄し、自分のコントロール外にあるモノにALL BETSしたのです。

もし、あんな自力突破放棄の茶番をした結果セネガルが得点を決めていた場合、つまり日本の、西野監督の賭けが裏目を引いた場合、それこそとてつもない批難が降ってきたことでしょう。

西野監督に関しては、この最悪の目がありうる状況であの選択をしたギャンブラーとしての肝の座り方は感服します。彼は勝負師ですね。

 

自力によって勝負に徹すること

次に、賛成派の的外れ意見について少し反論しておきます。

プロスポーツにおいて、真剣勝負の場において、「時間稼ぎ」や「戦力落とし」「意図的なファウル」などなどずる賢こく戦うこと自体は勿論日常茶飯事です。

私はそれらは許容している。時間を潰すのも、戦力を温存するのもそれぞれリスクのあることであるし、状況に応じた判断力も必要で簡単なことではない。

しかし、それは双方が勝利を目指している状況、自力で勝利を目指している状況に限定される。

昨日のように日本もポーランドも双方がサッカーをやめてただダラダラ経つ時間は許容できない。

日本の後方でのパス回しにリスクなどなかった。ポーランドはただ突っ立って見ていた。「時間稼ぎにも技術が必要だ」とか「立派な戦術だ」とかいう話は昨日の試合には当てはまらない。

別のスポーツになるが、NBAの強豪スパーズの監督ポポビッチは非常に優秀で合理的、そして規律的なチーム作りをする監督で、シーズン終盤のプレーオフ進出を確定させた後のレギュラーシーズンの試合は戦力を落として戦うことがある。(他のチームはそれぞれプレーオフを目指しているので真剣勝負を挑んでくる。戦力落として戦うことは負けるリスクを高くする=負けがこめばポポビッチも批判されるリスクを背負っている)

当然、その行為は批判にさらされることがあるが、スパーズは自力でプレーオフを確定させており、プレーオフに向けた主力の怪我予防や体力の温存によって頂点を目指す戦略を私は理解できる。全てはスパーズのポポビッチのコントロール下にある(そして、実際に何度もスパーズは頂点に立っている)

 

話を昨日の日本対ポーランドに戻そう。

日本の行った行為は、自分たちのコントロール外の事象に依存して目の前のことに、自分たちのコントロール下にある事象に全力を尽くすことをやめただけだ。自分たちで未来を決定付けることをやめただけだ。

そしてポーランドも付き合ってくれたので、それを実行する際には何もリスクがなかった。

これはポポビッチやその他のずる賢く戦う戦法、戦略とは全く別次元の話。

仮にセネガル対コロンビア戦が30分前に終了しており、結果が確定しているならそんな消極策もわかる。それは自力で予選突破に向かう行為だから。

予選終盤で突破が確定した同士の試合での消極策も別に私は批判しない。それは勝利に自力で向かっている行為だから。

 

美学がない日本

先程のポポビッチの例のように自分たちなりの美学を持って戦うことによって、消極策をとったり、戦力温存したりというのは勝つために許容される。

往年のイタリアのように「ウノゼロ」の美学もそう。

一点とにかく取って守りきる。

これも見ている人にはつまらないかもしれないが、勝利に向かう行為で全力が尽くされている。

スペインの「ティキ・タカ」もそうですね。

 

どれも勝利に自力で向かうための美学であって、他力を前提とした美学などありません。

そういえば、このような美学を綺麗事だとかいう頭よさげな人もいますね。

メルマガでは何度か言及していますが、合理には意外と低いところに限界があるのです。世の中は美とロジックが両輪で回っている。ロジックばかりで人は説得されない。人の心に響くのは美学であって、それが力になる。

あらゆるスポーツにおいて長年最高勝率を記録するというNZのオールブラックスは、国民の英雄であり選手達にはそれに相応しい品性が求められる。

オールブラックスは選手が入れ替わり続けても最強であり続ける。

それはいかにして達成されているか?というと美学なのです。

 

↓の本は非常にオススメ。組織論、哲学、ビジネス論、美についても語られるオールブラックスの強さの秘密についてです。

 

 

しかしながら、そもそも今の日本代表は美学など持ちようがなかったかもしれません。

前回のブラジル大会で「自分たちのサッカー」を木っ端微塵に粉砕され、その後のサッカー協会も絡んだゴタゴタ、ハリルホジッチの要求に達せない選手達、そして今回のW杯直前の監督交代劇。この4年間日本サッカーは停滞していると言っても良いでしょう。迷走している。

その上で、今回の「自力での勝利」を捨て「他力でのおこぼれ」を選択したことは、賛成派の言うような「クレバーで現実的な判断」や「ルールの範囲の最善策」というのは見当違いな話。

日本は、長らく決定力不足と言われてきましたが、その根底には「自分が決めるんだ」という断固たる意志がないからじゃないか?という仮説も立ちます。

皆、誰かがやってくれる、チャンスを作るまでが仕事、プレッシャーは嫌だ、というようなメンタルに見えます。(かのケイスケ・ホンダはこの点やはり他の日本人とは違うかもしれません)

そこで今回の「自力の放棄」です。しかも、あろうことかチームとしてその意志統一をしてしまった。

美学もなく、自力も放棄する意識の強化・・・ああ、醜い。

個人的には、これは日本サッカーの転換点になるかもなと感じました。

(余談ですが、日本人の他力意識に関してはお金の面でもありますね→「貯蓄と博打が好きで「投資」が嫌いな日本人」)

 

 

以上、私には今回の日本代表は目先の結果を合理的に取りに行った代わりに大きなモノを無くしたように思います。

美学と自力の欠如は、今後長く影響を与える可能性があります。

それは、今回目先の勝利で得たプラスよりも大きなマイナスになるでしょう。

 

2018/7/3ベルギー戦後追記

 

 

 

 

 

 

以上が、ベルギー戦後のツイートです。

ツイートした通り。ベルギー戦自体はとても良い試合でした。

というか、W杯を通して日本代表は事前の期待値以上の戦いをしたと思います。

大会自体に関しては「日本代表、よくやった」という評価はしても良い。

 

しかしですね、私がこの記事で主張していることは長期的なサッカー日本代表の強化についてであって、大会単体の評価とは別物になります。

世間を見るとこれらを全部一緒くたにして評価している人が非常に多い

「今回の大会前の期待値の低さの原因は?」

「サッカー協会の問題は?」

「直前でのハリル解任の是非は?」

「一部選手の発言権の問題は?」

「前回のW杯からの計画的な積み上げは?」

「今後の強化の方向性は?」

等々、何も解決していない。

 

今回のW杯自体が良い戦いだったからこれらの問題点がなかったことにはならない。

むしろ、今回の結果から次代に繋がるものって何かあるのか?を考えなければならない。

昌子や柴崎は次の代表でも選出される可能性はあるし、今回の経験は生きると思われるけど他のベテランは次代にはいないだろう。

今後の日本代表の戦い方の方向性も今回で固まったのか?

それを実行すべき監督は?

今回はそれなりに得点出来たが長年の決定力不足は解決したのか?

若い世代の強化策は?

今回のW杯を終えた結果からこれらに何かしらの回答は得られたのか?

南アフリカの時のように、やることがシンプルになってただただ今回はハマっただけなのか?

 

結局のところ、もっとも求められことは単発のラッキーパンチではなく継続的な強化であってその先にW杯優勝があると思います。(そう、今回戦ったベルギーみたいにね)

大会前はこの4年間は何だったのか?という感想を多くの人が持っていたはず

そして、結果がそれなりだったら手のひら返し(笑)

でも、今回の結果は本当にこの4年間の積み上げの結果なのか?

 

個人的には、次代に繋がるものは少なく一旦断絶すらする可能性を考えています。

そして、私が考える一番大きな部分はメンタルの問題。

「今回ベルギーと互角に渡り合ったじゃないか!」

という人もいると思いますが、格上とやる場合はやることが決まっていて、失うものも相手より少ないので思いっきり出来るんですよ。

そして、不思議と物事が上手く運ぶことがある。その際はあまり精神力を必要としません。(試合開始前は強大な相手とやることを考えてプレッシャーを受けますが)

しかし、一旦流れを失って押され出すと今回の日本代表のように景色は一変します。

メンタルを試されるのはそこから。この記事で言っている「自力で決める意志」もここから試される。

このメンタル面はチームとしての雰囲気作り、組織作りから鍛えられるものだと個人的には考えているので、次代にも引き継がれる可能性が高い。

 

今回のW杯の結果から次代の日本代表に何が引き継がれるのか?

願わくば私の危惧が的外れであることを願います。

 

 

 

 

 

 

 

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2 件のコメント

  • この手の議論は永遠に平行線で終わりませんよね。
    おっしゃる様に大きなマイナスになったとしても今のメンバーで永遠に戦う訳でもないですし、そこまで影響はないのではと思います。
    元々3敗当然と言われるほど実力差があったのでああいう試合も致し方ないのではないでしょうか。

    • golgonさん

      こんにちは
      ご意見ありがとうございます。

      この記事の意図は、日本代表としての伝統というか意識付けのようなものを問題としていて、
      それが連綿と続いていくことを危惧しています。
      プロチームでも部活でも、そのチームの伝統や強みというのは意外なほど変化しないものです。(記事内でも指摘しましたが、日本の決定力不足とかはずっと言われていますよね)
      それは組織を作る過程で醸成されるものが大きく影響を与えるように思うのですが、具体的には規律や意識付け等目に見えにくいものかと思います。
      今回の采配は、そこに影響があるのではないか?という問いかけですね。

      現在のメンバー云々は元々大した期待値もなく、今更トーナメントを上がっていったところで、それこそ今後の日本代表になんのプラスがあるのか疑問なのは個人的な感想です。
      4年間の集大成でもなく、ベテランばかりの期待の若手の貴重な経験の場にもならずただただ勝ちを拾った今回の采配になんの意味があったのか?と試合を見終わったあとも考えましたが
      今回の記事内容のように、「目先を勝ち上がったこと」と「自力で決める意志を放棄したこと」を天秤にかけると、後者の方が長期的に悪影響が続くように思いました。

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