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先日、カンブリア宮殿でも取り上げられていましたが、死にかけていたメガネスーパー(現ビジョナリーホールディングス 9263)が再生に向けて効果的な手を打っていました。

それがどれほどインパクトのあることか?が多分普通は理解されないので、少し書いてみます。

 

メガネに関しての裏話は以下で詳しく書いています。

メガネ業界のこれまで

これまでのメガネ業界は、いわゆる3プライスチェーンが牛耳っていました。要は安売り店です。合言葉は「メガネなんて1万以下で十分」

私は、前職でお高いメガネを外商で売っていたのでお客さんからこのような言葉をよく頂いていました。当時、10万前後の単価を売っていた私は、この言葉を聞くたびに眩暈を覚えたものです。(あちらとしても10万円のメガネなんて眩暈を思えるでしょう 笑)

では、少しこれまでの経緯を確認しましょう。

2000年代に入る前、メガネは高価でした。

基本的にレンズはオーダーメイドなので「そりゃそれくらいするよねー」という同意もお客さんから得られてた時代。(まあ、そこにあぐらかいて利益率が物凄く高いというビジネス的うま味を味わっていたのも当時のメガネ屋です。原価率3割以下とかが普通にあります)

で、そこに殴り込んできたのが韓国製レンズと中国製フレームコンビで激安展開してきたzoff。その流れで2000年代以降快進撃を続けてきたのがJINS。

これらの企業の考え方は従来の「メガネ屋」ではありませんでした。その思想は雑貨屋です。メガネは1アイテムであって、医療器具や目の健康という視点は綺麗に削除。そんな思想の下、「レンズ、フレーム一体定額売り」という形で激安ビジネスモデルが出てきたのです。観光地とかで売っている既成品サングラスとかと同じ売り方。

この結果、単価は大きく下落しました。3万〜5万ほどあった単価は一気に2万円以下へ。当初、この単価下落は本数でカバーできるとメガネ業界は考えていた節があります。1ファッションアイテムとしてメガネをかける層が増えれば、気分やファッションで掛け替える需要があるだろうと安易に考えてた感じ。

しかし、現実はそうはなりませんでした。世の中の人は「メガネは見えれば良い」という実用的な思考回路で動いており、一部のオシャレさんやメガネマニア以外にとってメガネは「ダサい」というイメージ。極力掛けたくないものという位置付け。こうしてメガネ業界の目論見は外れ、人々は嬉々として激安メガネ一個を使い潰すという選択をしました。「メガネを買い替える時は壊れた時」これがメガネ業界人以外の一般人の思考回路。

結果的に残ったのは、単なる大幅な単価下落。メガネ業界は雑貨思想の侵入を受けて自分の首を自分で絞め続けたのです。

これは市場規模が如実に表しています。2000年代前に6000億ほどあったメガネ市場は激安時代を経て4000億前後へと大幅に市場規模を減らしています。

こんな感じで、メガネ業界は変遷してきましたが、私が前職でメガネ販売をしていた時は、この状況を逆手にとって営業していました。実にその辺のチェーン店の4倍〜5倍ほどの価格帯のメガネを売っていたのです。

 

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オーダー&コンサルの需要

  • 激安・高価格
  • スピードお渡し・納品まで10日前後
  • 店舗来店の待ち戦略・外商で出向いて積極営業
  • マニュアル接客・コンサル
  • フレーム主義・レンズ主義(ファッション優先・アイケア優先)

大まかにこんな対立軸を意識して営業していました。

詳しくは、以前書いた以下の記事を参照のこと。

飛び込み営業で1000人の人に高額商品を”喜んで”買ってもらった営業ノウハウ

 

こんな営業をしていて感じたことは、

  • 「メガネは高価格帯でも問題なく売れる」
  • 「個別コンサルの需要」
  • 「健康意識の価値」

です。

人々は、自分の知らないことを知りたがっていて、健康に気を使っていて、自分だけの提案をしてもらいたがっていて、自分のことを理解している人やお店に長期的に付き合いたいと考えています。

これを満たすなら価格は高くても良い。

当時からこれは感じていました。逆を言えば私は画一的な安売り店舗が一般的だったからこそ売れていたとも言えます。

 

メガネスーパーの変革

で、前置きが長くなりましたが、メガネスーパー(ビジョナリーホールディングス)は、アイケアカンパニーを掲げて私がやっていたことをやろうとしています。それももっと広範囲にサービスも充実させて。

しかも、メガネスーパーのメイン顧客は高齢者。視力が落ち、調節力も落ち、眩しさに弱くなり、若々しく見られたいという悩みも持っている。まさに、コンサルに適した層であって、その需要は確実にあります。というか、その層だけで見ればメガネ市場の中で成長市場に当たる。

目の調節力の落ちる年代の人には、レンズ一つでは対応できません。距離によって使い分けた方が大体において楽になります。その結果、必然的に本数も増える。私もお客さん一人に日常用、運転用、読書用、スポーツ用などなど3本4本と販売していました。(私は、メガネの耐久力の話もしてバックアップの使い捨てメガネを用意するのではなく、レギュラーで使える満足度が同等なメガネを最低二つ以上使い分ける提案もしていました。事実、一本のメガネを毎日使うなら大体3年ほどで買い替えですが、二本使う場合6年経っても両方綺麗です)

当たり前ですが同じ人に複数本売る場合、人間関係も出来ているし、データもあるので、接客コストは激減します。利益率は上がる。

このインパクトは大きいと私は考えています。

既存の激安店とは基本的に競合しません。顧客になったお客さんの購買基準がすでに価格ではないし満足度の高いサービスと質の高い商品が購買基準。(安い価格帯では、顧客サービスや手厚い保証は不可能です。利益が違う。高価格帯の場合、その利益の一部は顧客サービス分に回ります。余談ですが、安い価格帯で買いたがる人ほどクレーム出しがちなので対応に困った現場の社員は疲弊します。赤字覚悟でそんなクレーム聞いてたら店も持ちません。適切な利益はこの点からも必要)

さらに、激安店の合わないメガネをかけ続けると目の健康を損なうと考える顧客はより離れていかないでしょう。これは目の機能が落ちてくる年代以降のお客さんにはとても効果的。

この結果、顧客のライフタイムバリュー(生涯売上)は劇的に上がるでしょう。

 

打つ手がバランス良く無駄がない

その他にも言及する点はたくさんあるんですが。この先は長くなるから簡潔に。

  • 現場を重視しつつ、新しい技術を取り入れて効率化をしている。
  • 人件費を上げることを宣言している。(これはコンサルや高度な技術が必要な業務なら必須だと考えます。今後も人件費は上がり続けるでしょうから利益の伸びが当面限定されるかも。)
  • 店舗改革スピードが速い。M&Aで買収した地方メガネ店の改善スピードも速い
  • メガネ業界の事業承継問題を利用できる
  • 医師や製薬会社との連携
  • PB展開
  • DMの細分化、保証期間との組み合わせで定期的に顧客へリーチ
  • 店舗展開時の効率化(小さめの店舗で平米売上高改善)
  • ECの利便性改善
  • ウェアラブルへの展開
  • 等々

ちなみに、若年層はターゲットになっていないか?というとそんなこともないと思います。レンズの種類は、単焦点(単純な近視、遠視、乱視、それらの組み合わせ)、累進(遠近、中近、近々)。カラーにおいては、単純なカラーレンズ、調光レンズ、偏光レンズ、と機能によってたくさんあり、目の状況によって楽になる提案もあります。更に、レンズコーティングも紫外線カット、ブルーライトカット、近赤外線カット、等々、いろいろ今はあって気になる眼精疲労、疾患の予防や疲労軽減に繋がるレンズ選択もあるので、目の疲労度の高い若年層も同じ需要が見込めるはず。店舗の知識や接客能力が上がれば対応可能でしょう。

メガネスーパーは、一度三途の川を渡っているような企業なので、財務はボロボロ。予算的に直近広告が打てていませんでしたが、最近ビジネス系の番組に取り上げられ、社長自らアピールしてきているのもしたたかだなと感じます。本当、使えるものは何でも使う経営者なんだなと

ということで、株式がらみの負の遺産もあって問題がない企業ではないですが、今後売上、利益ともに伸びる可能性が高く、時流にも乗っており、打つ手も的確。現状おそらく他社は追随出来ないと考えます。5年以内に斜陽業界の中の成長市場で一気にシェアを取る可能性があるので長い目で期待したいと思います。

参考レポート「シェアード・リサーチ

 

 

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