
先日、椅子が届いた。
「注文してないぞ。なんだろう?」と思い、送り主を見ると「君の椅子倶楽部」とある。住所は北海道。
私の地元が北海道なので、とりあえず実家に聞いてみると「君の椅子プロジェクト」のことを教えてくれた。
うちの親がそれに参加し、新しく生まれた子供に椅子がプレゼントされたということでした。
「君の椅子」プロジェクト って、ご存知ですか? » Sawawa
君の椅子プロジェクト
君の椅子プロジェクト
子どもが誕生した喜びを地域全体で分かち合い、子どもたちの「居場所」をつくりたい──そんな思いから、その年に生まれてきた子どもたちに椅子を贈る活動があります。北海道旭川近郊の東川町、剣淵町、愛別町の3町が中心になって進めている「君の椅子」プロジェクト。名前と生年月日を刻印した世界にたったひとつだけの椅子が、「生まれてきてくれてありがとう、君の居場所はここにあるからね」というメッセージとともに贈られます。
私は、この活動のことを知らなかった。
椅子が届いてから調べてみると、北海道旭川近郊の上川郡で行われている活動で、発祥は2006年。子供が生まれたら花火を一発あげる慣習のある地域にちなんで地元の木を使い地元の職人さんが手作りした椅子をその年産まれた子供達に送ることにしたらしい。
実際に届いた椅子は、とても質の良いものでデザインも可愛らしく子供が長年使うことを良く考えられた椅子だなと感じた。(毎年デザインは変わるみたい)
素材も無垢材だから時が経てば味が出るはずで、木材であることの傷つきやすさも「自分の椅子」ならではの特徴となるだろう
子供の虐待など連日気の滅入るニュースが流れるけど、本来、子供は祝福されるべき存在だよねということを改めて感じるプレゼントだった。
子供は親を選べないし、国も環境も選べない。今時の考え方で言えば、DNAも選べない。
その上、人間の子供はとても未熟な状態で産まれてくる。
実際に子育てを経験して驚いた。
赤ちゃんは、本当に何も世話しなければ数時間で死んでしまうか、大怪我をしてしまうだろう
そんな何一つ自分ではどうしようもない状況で、唯一頼れる親から虐待を受けることはこの上ない絶望だろうなとニュースを聞くたび思うのだ。(親の幼い子殺しはもっと罪を重くしていいと思う。大人になったのはまた別な気がするけど・・)
「君の椅子プロジェクト」の趣旨、「君の居場所はここにある」というメッセージは成長した子供に安心感を与えるだろうし、親にとっても椅子を見るたび「そうだよ、君が頼れるのはこの家庭の中であり、その椅子だ」と思い返すはず。
この椅子を見て、将来子供が成長して、学校へ行き、社会へ出て、答えのない「不確定なこと」が当たり前の世界に消耗した時にも、精神的に安心出来る場所として存在していたいなと思う。
君の椅子倶楽部
「君の椅子プロジェクト」は、東日本大震災の時に産まれた子供にも「希望の椅子」として特別に贈っている。
かなり混乱した状況で複雑な感情も絡む誕生だったけど、やっぱり子供の誕生は嬉しいことなんだ、喜んでいいんだと誰かに祝福されていることは救いになったことと思う。
このプロジェクトは始め、地元のためにスタートしたらしいけど、現在では「君の椅子倶楽部」というのに入ればその他の地域で産まれた子供にも「君の椅子」が贈れるらしい。(ウチは親が加入した)
椅子のお値段は、表には出ていなくて申し込みした後に届く資料に記載されているようですが、ネットで調べた限り、その年によって違うけど概ね一脚3万〜4万円とのこと。(多分地域外の君の椅子倶楽部のみだと思われる。プロジェクト参加地域の子供はおそらく無償)
安くはない値段だけど、プレゼントされた椅子を見て感じる感想は”値段相応”。
本当にしっかりしているし質が良いと感じる作りです。子供と一緒に育つと思えば「そんなもんかな」と思いました。
私も将来誰かに子供が生まれた時のプレゼントに良いなと考えています。
それと余談ですが、私のようにおじいちゃんおばあちゃんから孫へのプレゼントとしても良いかもしれません。「こういうプロジェクトがあるんだってー」と情報を流せばあるいは・・ 笑
現在、今年生まれた赤ちゃんと60代以上の世代の国からの給付、サービスに関する世代間格差は生まれた時点で約1億と言われていますので、多少の世代間格差の是正にも貢献しますしね。おじいちゃんおばあちゃんも孫へ何かプレゼントしたいと考えていることも多そうですので、上手くいけばWIN-WINですよ 笑