お薦めの本2 (ブラック・ジャック)お金への距離感を学ぶ
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こんばんは、imoekatです。

今日はお薦め本のご紹介。といっても皆さんご存知「ブラック・ジャック」です。

先日、kindleで手塚治虫のまとめ買いセールをやっていまして、kindle版「ブラック・ジャック」全22巻を衝動買いしました。

確か50%offで3000円ちょっとだったと思います。一気読み・・良い買い物でした。

では、書評というか私のフィルターを通した「ブラック・ジャック」をお伝えしたいと思います。

お金に対する距離感

さて、一応ブラック・ジャックの簡単な説明

ブラック・ジャックは、無免許の天才外科医で法外な手術代を要求する一方、情に厚く時には「粋」な対応もみせる兎に角カッコいいキャラ。

内容は、医療関係を軸に様々なテーマを扱い、勧善懲悪的な分かり易い話しは少なくとても示唆に富んだ話が多いです。大人が読んで面白い話しが多いのですが、子供でも楽しめるという素晴らしい漫画。(手塚治虫が漫画の神と言われるのも納得)

で、ブラック・ジャックと言えば腕は立つが法外な手術代を要求することで有名ですが(よく3000万円を要求します 笑)

必ずしも要求のお金を受けとるわけではありません。

ブラック・ジャックが手術代を吹っかけるとき大体2パターンあります。

① 覚悟を見る場合

② 本当に乗り気じゃない場合

①は勿論、相手に気持ちがなきゃブラック・ジャックのモチベーションが上がらないからでしょう。

②の時はそんなにストーリーに関係の無い場合もありますが、たまにブラック・ジャック個人の感情を刺激され無償でやることもあります。(全くやる気がなかったが、恩師を侮辱され鼻を明かしたい一心で手術するとか)

このようにブラック・ジャックを見ているといつもお金を要求はするのですが、本当にそこに価値感を置いているのか?と疑問に思うこともしばしば

どうもブラック・ジャックは「お金」とは目的を達成する為の手段であり本当に「大事なこと」はお金では買えないという価値感が裏にあるように私は思うのです。

1億円強盗犯を追っていた刑事が犯人追跡中に事故を起こす。犯人も逃走中に銃撃され傷を負います。二人ともブラック・ジャックのところへたどり着き治療を受けますが、お互い病室が違うので顔はわかりません。強盗犯が臓器の移植をしなければ死ぬ場面で相手の顔の知らない刑事はブラック・ジャックに脅されて臓器移植に同意。結果、強盗犯も刑事も助かりますが、治療で刑事は時効を迎える強盗犯を捕まえる為の時間を失います。

強盗犯は、自分に臓器移植をしてくれたのは刑事だと会話の中から気づき逃げようとしたところブラック・ジャックに呼び止められ治療費を一億要求。

しぶしぶ強盗犯が払った一億をブラック・ジャックは刑事に落し物として引き渡します。

なんて粋なやつなんだろう。

このお話しでブラック・ジャックは 二件の手術を無償でやり入院までさせています。その上、刑事の話しからもう一人の患者が追っている強盗犯だとわかった所、強盗犯からふんだくった一億を何食わぬ顔で刑事へ譲渡してます。

本当にお金へ執着している人であれば有り得ない行動です。

ブラック・ジャックは島買ったり、過去の復讐だったりお金が無いと出来ないこともやってますが、それらも人の想いが根底にあります。

沢山のエピソードを読んで、私はブラック・ジャックにとっての「お金」は彼の生き方、やりたいこと、主張を通す為の手段であり、実はお金への優先順位は低いと考えています。しかし、一方で彼はお金がないと出来ないことも強く意識しているようでお金が取れる時は当然取る行動にでています。

これは、私の考える理想のお金との距離感に近いです

選択肢を増やす、自由になる為に「お金」は必要ですが、それ以上に大事なことがあるという価値感ですね。

その人の人生が現れるのはその「大事なこと」に現れるのでありお金ばかり追っても虚しさしか残らないように思います。

お金との正しい距離感を理解する意味でも「ブラック・ジャック」は読むべき本と言えるでしょう

単純に漫画としてとても面白いですし本当に手塚治虫の天才性を見れる作品です。

あんなに複雑な感情を絡めた内容で決まったページ内に収めるストーリーテラーの才能

色々な表現方法を駆使した演出

社会問題への提言

現代にも通じる沢山の問題意識(人格、奇形、変身願望、差別意識、紛争問題、環境問題、・・などなど 本当に幅広いです)

分かり切った答えではなくあえて読者の解釈に任せる余韻のある終わり方

ブラック・ジャックの人間臭さ、ぴのこの可愛らしさなど、キャラの魅力

こんな作品を漫画の歴史初期に既に実現していたことに驚きます。間違いなく漫画史に残る傑作であると私は思います。

今まで「ブラック・ジャック」を読んだことの無い人は勿論、以前読んだことのある人も今の年齢で読むと新たな発見や意味を見出せる(ドクターキリコは実は患者側に立ったとてもいい奴。子供の頃は悪者と思ってました。)のでお薦めです!

 

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